みなさんこんにちは☀️
安佐南区・可部・高陽・白木からも通いやすい、安佐北区にある歯科医院(歯科・歯医者)、かわもと歯科こども歯科クリニックの歯科助手の岡村🍙です
犬歯と八重歯の違いとは?
〜役割・構造・見た目・問題点まで分かりやすく解説〜
はじめに
「犬歯(けんし)」と「八重歯(やえば)」という言葉を耳にすることは多いですが、
犬歯=八重歯ではありません。
患者様の中には、「犬歯のことを八重歯と呼ぶのだと思っていた」という方も少なくありません。
実際には、犬歯は“すべての人にある歯の種類のひとつ”で、八重歯は“犬歯が正しい位置からずれて生えてしまった状態”のことです。
この記事では、
・犬歯とはどんな歯なのか
・八重歯とはどんな歯並びの状態なのか
・ふたつの違い
・八重歯が起こる原因
・八重歯を放置した場合の問題点
・改善方法(矯正など)
まで、一般の患者様にもわかりやすく丁寧に解説します。
1. 犬歯とは?
犬歯は、人間の歯の中で「とがった形」をした歯で、上あごと下あごに左右1本ずつ、計4本あります。
いわゆる「糸切り歯」とも呼ばれます。
① 犬歯の役割
犬歯は口の中でとても重要な働きをしています。
噛み合わせのガイド役
犬歯は歯の中でも根が長くて強く、噛み合わせの動きをリードする“ガイド”の役割を持ちます。
食べ物を噛み切る、すりつぶす動作の中で、他の歯を守りながら動きをコントロールします。
食べ物をしっかり噛み切る
犬歯の尖った形は、肉や繊維質の食べ物を噛み切るのに適した形状です。
前歯と奥歯の中間に位置し、食事に欠かせない役割を果たしています。
歯並びの“中心線”を安定させる
犬歯は前歯と奥歯をつなぐバランスの要です。
犬歯が正しい位置にあることで、歯列全体が安定し、噛む力のバランスがとれます。
② 犬歯が生える時期
永久歯の犬歯は、12歳前後で生えてきます。
他の前歯や小臼歯より遅いため、生えるスペースが不足しやすい歯でもあります。
この「スペース不足」が後ほど説明する「八重歯」が生まれる大きな原因のひとつです。

2. 八重歯とは?
八重歯とは、「犬歯が本来の位置から外れて、歯列の外側や上の方に飛び出して生えている状態」を指します。
① 正式名称は「犬歯の低位唇側転位」
歯列の乱れ(叢生)の一種で、歯が重なり合う中で犬歯だけが外に押し出されている状態です。
② 八重歯は“歯の種類”ではなく“歯並びの乱れ”
犬歯は誰にでもある歯ですが、八重歯は“歯並び”の問題です。
つまり、「犬歯の位置がずれた結果起こる現象」であり、犬歯そのものの種類とは関係ありません。
③ なぜ犬歯が飛び出す?
主な理由は次の通りです。
・あごが小さく、歯が並ぶスペースが不足している
・犬歯が生える時期が遅いため、場所が足りなくなる
・乳歯のむし歯や早期喪失によりスペースが狭くなる
・遺伝的に歯が大きい・あごが小さい
・指しゃぶりや口呼吸などの癖
これらが重なることで、犬歯が正しい位置に並びきれず外へ押し出されてしまいます。

3. 犬歯と八重歯の違い
ここまでの内容をふまえ、両者の違いを整理します。

つまり、
犬歯=正常な歯、八重歯=犬歯の生える位置の問題
という違いがあります。
4. 八重歯を放置するとどうなる?
① むし歯・歯周病になりやすい
八重歯は歯が重なって磨きにくいため、プラーク(歯垢)が残りやすくなります。
その結果、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。
② 食べ物が挟まりやすい
犬歯が突出していると、隣り合う歯の間に隙間ができ、食べ物が詰まりやすくなります。
③ 噛み合わせの悪化
犬歯の位置がずれることで、噛む力のバランスが崩れます。
犬歯は“噛み合わせのガイド役”なので、位置が悪いままだと奥歯に負担がかかり、すり減りや顎関節症の原因になることもあります。
④ 見た目が気になる
口元から犬歯が出ていると、笑ったときに八重歯が目立ち、「写真写りが気になる」「口元が出て見える」などの悩みにつながることもあります。

5. 八重歯の改善方法(矯正治療)
八重歯は矯正治療によって改善できます。
症状の重さや歯列の状態に応じて、以下の治療が選択されます。
① ワイヤー矯正(表側矯正)
最も一般的で、複雑な八重歯にも対応できます。
犬歯の位置を大きく調整する場合に特に有効です。
② マウスピース矯正(インビザラインなど)
透明で目立ちにくい矯正方法です。
軽度〜中等度の八重歯に適用されることが多く、装置の違和感が少ないのが特徴です。
③ 抜歯矯正
スペース不足が大きい場合、小臼歯を抜歯してスペースを作り、歯を整列します。
八重歯の治療では比較的よく行われる方法です。
④ 非抜歯矯正
スペース不足が軽度であれば、歯列の幅を広げたり歯の位置を整えたりすることで、抜歯せずに改善することもあります。
⑤ 子どものうちの咬合誘導
乳歯期〜混合歯列期(乳歯と永久歯が混ざっている時期)では、
・あごを広げる
・歯の生える方向を誘導する
ことで、八重歯を予防できるケースがあります。
⑥海外での八重歯の評価って??
海外では八重歯は“歯並びの乱れ”としてマイナスと捉えられ、特に欧米では早期に矯正するのが一般的です。整った歯並びが身だしなみとされる文化のため、八重歯は好まれにくい傾向があります。

6. 犬歯が正しい位置にあることのメリット
犬歯は、実は「とても大切な歯」です。
犬歯が正常な位置にあると、次のようなメリットがあります。
● 噛み合わせが安定する
犬歯がガイドとなり、顎の動きがスムーズになります。
● 奥歯の負担が軽減される
犬歯が正しく働くことで、奥歯のすり減りや歯の破折リスクが減ります。
● 口元のバランスが整う
犬歯が正しい位置にあることで、唇や横顔のラインが自然になります。
● むし歯・歯周病リスクの軽減
歯ブラシが届きやすい位置にあるため、磨き残しが少なくなります。

まとめ
犬歯と八重歯は似たように思われがちですが、意味は大きく異なります。
・犬歯は、すべての人にある歯の種類のひとつ
・八重歯は、犬歯が正しい位置から外れて生えた結果起こる“歯並びの乱れ”
八重歯は見た目だけでなく、むし歯・歯周病・噛み合わせの悪化などのトラブルを引き起こす可能性があり、早めの相談がおすすめです。
犬歯が正しい位置にあることは、歯並び全体の健康や噛み合わせの安定にもつながります。
気になる症状がある方、またはお子さまの歯並びが心配な方は、ぜひ一度専門的な診察を受けてみてください。

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