安佐南区・可部・高陽・白木からも通いやすい、安佐北区にある歯医者、「かわもと歯科こども歯科クリニック」の歯科衛生士の益田です!
厳しい暑さが続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今日は毎日の歯みがきで当たり前のように使っている「歯磨き粉」についてお話しします!
「なぜ歯磨き粉を使うの?」「子どもにはいつから使えばいいの?」「毎回使った方がいいの?」といった素朴な疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今回は、歯磨き粉の役割や使い始めの時期、タイミングなどについて、歯科医師の視点からわかりやすくご説明いたします😊
【1】歯磨き粉の主な役割
1. フッ素で虫歯を予防する
歯磨き粉に含まれる代表的な成分が「フッ素(フッ化物)」です。
フッ素には以下のような効果があります。
•歯の再石灰化を促進:虫歯の初期段階では、歯の表面がわずかに溶けますが、フッ素はその部分を修復してくれます。
•歯の表面を強化:エナメル質の構造を強くし、酸に対する抵抗力を高めます。
•細菌の活動を抑える:虫歯菌の働きを弱め、酸の産生を減らします。
2. 歯周病を予防する
歯磨き粉には、歯周病を予防するための殺菌成分や抗炎症成分が含まれているものもあります。
•CPC(セチルピリジニウム塩化物):細菌の繁殖を防ぎます
•トラネキサム酸:歯ぐきの炎症を抑える効果があります
歯周病が気になる方には、こうした成分が入った歯磨き粉が有効です。
3. 着色汚れの除去・ホワイトニング補助
ステイン(着色汚れ)を取り除く成分が配合されている歯磨き粉もあります。特に、コーヒーや紅茶、ワインなどをよく飲む方は、ステインが蓄積しやすいため、ホワイトニング成分入りのものを選ぶと良いでしょう。
ただし、研磨剤が強いタイプは歯にダメージを与えることがあるため、注意が必要です。
4. 口臭予防と爽快感
ミントなどの清涼成分が含まれていることで、口臭の原因となる細菌の抑制や、口内の不快感の解消にも役立ちます。朝の口臭予防にも歯磨き粉は有効です。
【2】歯磨き粉は何歳から使っていいの?
1. 赤ちゃんは歯が生え始めてたジェルからスタート
赤ちゃんは歯が1本でも生えたら、虫歯予防のスタートです。泡立たないフッ素入りジェルタイプの歯磨き剤は、誤飲の心配が少なく、刺激も少ないため赤ちゃんにも安心。綿棒やガーゼで塗るだけでもOKなので、うがいができない時期から使えます。楽しく慣れる習慣づけにも最適です。
2. うがいができるようになったら歯磨き粉を「少量」からスタート
1歳半~2歳ごろ、子どもが自分で「ブクブクうがい」ができるようになったら、フッ素濃度の低い子ども用歯磨き粉を少量使ってみましょう。
【年齢別・フッ素濃度と使用量の目安】
↓↓年齢 フッ素濃度 使用量↓↓
1歳半~2歳 ~950ppm 米粒程度(1~2mm)
3~5歳 ~950ppm グリーンピース大
6歳以上 1000~1450ppm 大人と同じ量(1~2cm)
小さなお子さんには、誤飲に配慮し「無発泡タイプ」や「低刺激タイプ」の歯磨き粉を選びましょう。
【3】歯磨き粉は「いつ」使えば効果的?
1. 毎回の歯磨きで使うのが基本
歯磨き粉は、朝・昼・夜のすべてのタイミングで使ってOKです。特に以下の2つのタイミングは重要です。
【朝の歯磨き】
•就寝中は唾液の分泌が減るため、細菌が繁殖しやすくなります
•朝の歯磨きでしっかり口内をリセットしましょう
【夜の歯磨き】
•最も重要なタイミングです
•寝ている間は再び唾液が減少するため、フッ素入り歯磨き粉の使用がおすすめです
•フッ素を口内に残すために、「うがいは1回だけ、少量の水で」がコツです
【4】歯磨き粉の選び方のポイント
1. 自分の目的に合ったものを選ぶ
目的別に以下のようなタイプがあります:
•虫歯予防:フッ素入り(1000~1450ppm)
•歯周病予防:殺菌・抗炎症成分入り
•ホワイトニング:低研磨+ステイン除去成分入り
•知覚過敏用:硝酸カリウムや乳酸アルミニウム入り
2. 研磨剤の強さにも注目
「やさしく磨きたい」「エナメル質が気になる」方には、低研磨タイプや研磨剤無配合のジェルタイプもおすすめです。
【5】歯磨き粉の正しい使い方
歯磨き粉は、ただ「つけて磨けばいい」というわけではありません。正しく使うことで、虫歯や歯周病予防の効果を最大限に引き出すことができます。ここでは、歯磨き粉をより効果的に使うためのステップを詳しく解説します。
ステップ①:適量を歯ブラシに取る
まず大切なのが、「使う量」です。
歯磨き粉の適量は以下のとおりです。
↓↓↓年齢 使用量の目安↓↓↓
1歳半~2歳 米粒大(1~2mm)
3~5歳 グリーンピース大(5mm前後)
6歳以上〜大人 1~2cm程度
Point☝️ つけすぎると泡が立ちすぎて磨き残しが出やすくなるため、「磨いている感じ」ではなく「実際に磨けているか」が大切です。
ステップ②:乾いた歯ブラシに歯磨き粉をつける
歯ブラシを水で濡らしてから歯磨き粉をつける方が多いですが、できれば乾いた状態で使うのがおすすめです。
理由は…
•水で薄まると有効成分(フッ素など)の濃度が下がってしまう
•泡立ちすぎると磨き残しの原因になる
少し水分が欲しい場合でも、歯ブラシを軽く湿らせる程度にしましょう。
ステップ③:歯磨き粉をなじませるように優しく磨く
いきなりゴシゴシこするのではなく、まずは歯全体に歯磨き粉を広げるようなイメージで、軽く磨き始めます。
その後、次のポイントを意識してブラッシングを行いましょう:
•歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨く
•奥歯のかみ合わせの溝や、歯の裏側も忘れずに
•歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握り、力を入れすぎない
•1本1本を意識しながら、2~3分かけて丁寧に
Point☝️ フッ素をしっかり歯に届けるために、磨く時間をしっかりと確保することが大切です。
ステップ④:うがいは「1回だけ」「少量の水で」
磨いた後の「うがい」は、歯磨き粉の効果を左右する大きなポイントです。
一般的なうがいとの違い
× 大量の水で何回もブクブクうがい → フッ素が流れてしまう
◎ 少量の水(5~15ml)で1回だけうがい → フッ素が口に残りやすい
特に就寝前はこの方法が効果的で、フッ素の働きを寝ている間にじっくり活かすことができます。
Point☝️うがいがまだ難しい小さなお子さんには、歯磨き後に「吐き出すだけ」でOKです。フッ素濃度が950ppm以下の低濃度のものを選びましょう。
ステップ⑤:歯磨き後30分は飲食を控える
歯磨き後すぐに飲食をすると、せっかく歯に残ったフッ素が洗い流されてしまいます。
歯磨き後30分は飲食を控えることで、フッ素の効果を最大限に活かすことができます。
夜は「フッ素を残す意識」で磨くのがコツ!
就寝中は唾液の量が減り、虫歯になりやすい状態になります。そのため、夜の歯磨きは「フッ素を歯に残して眠る」のがポイントです。
【6】歯磨き粉を使っていても歯科健診は必要!
歯磨き粉を使って毎日丁寧に歯を磨いていても、歯科医院での定期的なチェックは必要です。
•虫歯や歯周病の早期発見
•ブラッシングの癖や磨き残しのチェック
•年齢に合ったケア方法のアドバイス
など、プロによるサポートで、歯磨き粉の効果をさらに引き出すことができます。
【7】まとめ
歯磨き粉は「使い方・選び方・タイミング」がカギ!
歯磨き粉は、正しく使えば虫歯・歯周病・口臭予防に大きな力を発揮してくれる頼もしい味方です。
✅ フッ素で歯を守り
✅ 年齢や口の状態に合ったタイプを選び
✅ 毎日のケアに取り入れる
これらを意識することで、お口の健康を長く保つことができます!
ただし、歯磨き粉の効果を最大限に引き出すには、正しいブラッシングや定期的な歯科受診も欠かせません。気になることがあれば、お気軽にご相談くださいね。
【ご予約・お問い合わせは電話またはLINEで】
広島市の歯科・小児歯科(こども歯科)・予防歯科・矯正歯科・インプラント・ホワイトニングは
かわもと歯科こども歯科クリニックへ
〒739-1732
広島市安佐北区落合2丁目35-8-2
TEL:082-845-6505