みなさんこんにちは😊
安佐南区・可部・高陽・白木からも通いやすい、安佐北区にある歯科医院(歯科・歯医者)、かわもと歯科こども歯科クリニックの受付兼助手の橋本🌉です
「よく噛んで食べましょう」と言われることは多いですが、実際に子どもたちの噛む力はどれくらいあるかご存じですか?
現代の子どもは、やわらかい食べ物を食べる機会が多く、噛む力が弱くなっていると言われています。噛む力は、歯やあご、全身の発育にも大きく影響します。今回は、子どもたちの噛む力と咀嚼(そしゃく)の大切さについて、解説します。
子どもの噛む力はどれくらい?
1. 年齢によって噛む力は変わる
噛む力は、あごの成長や歯の生え変わりに合わせて発達します。
例えば、個人差はありますが3〜4歳ごろは乳歯が生えそろい、やわらかい肉や野菜をかみ切ることができるようになります。小学校低学年前後になると、乳歯から永久歯へと生え変わりが始まり、噛む力も少しずつ強くなります。
研究では、
•3〜4歳の噛む力:およそ10〜20kg程度
•小学生(6〜7歳):およそ20〜30kg程度
•大人(20歳前後):およそ40〜60kg程度
とされており、年齢とともに大きく成長していくことがわかります。
2. 現代の子どもは噛む力が弱くなっている?
昔と比べて噛む回数や噛む力が減っているという研究結果もあります。やわらかい食べ物やファストフードが増え、あごや歯をしっかり使う機会が減ったことが大きな要因です。噛む力が弱いまま成長すると、歯並びやかみ合わせにも影響が出る可能性があります。
咀嚼(そしゃく)の大切な役割
咀嚼とは「食べ物を噛み砕き、唾液と混ぜて飲み込める状態にすること」です。噛むことには、次のような大切な役割があります。
1. 消化を助ける
よく噛むことで、食べ物が細かくなり、唾液に含まれる酵素(アミラーゼ)が働きやすくなります。胃や腸に負担をかけず、消化吸収をスムーズにします。
2. あごや顔の成長を促す
噛む動作はあごの骨や筋肉をしっかり使う運動です。特に子どもの時期は、噛むことであごが発達し、歯並びのスペースを確保しやすくなります。
噛む力が弱いとあごが小さく成長してしまい、歯並びがガタガタになる原因になることもあります。
3. 脳の発達をサポート
噛む刺激は脳に伝わり、集中力や記憶力の向上にもつながるといわれています。テスト前にガムを噛むと集中できる、というのもこの効果です。
4. 虫歯や歯周病の予防
よく噛むことで唾液の分泌が増え、口の中の酸を中和したり、食べかすを洗い流したりする効果があります。これが虫歯や歯周病の予防につながります。
よく噛むための食生活の工夫
1. 噛み応えのある食材を取り入れる
にんじん、れんこん、きゅうり、きのこ、ナッツなど、シャキシャキ・コリコリした食感の食材を取り入れましょう。
柔らかすぎる加工食品ばかりでは、噛む回数が減ってしまいます。
2. 丸飲みしにくい大きさに切る
食材を小さく刻みすぎると、噛まずに飲み込んでしまうことがあります。子どもが安全に食べられる範囲で、ある程度の大きさを残すと自然に噛む回数が増えます。
3. 食卓の姿勢を整える
足が床につかない椅子や、前かがみの姿勢ではしっかり噛めません。足裏が床や台にしっかりつくように調整すると、噛む力が安定します。
噛む力を育てるトレーニング
噛む力は食事だけでなく、遊びや日常生活でも育てられます。
•ガムを噛む(シュガーレスがおすすめ)
•するめ、干し芋などをおやつに(安全に食べられる年齢から)
•風船をふくらませる、ストローでジュースを吸う
→口や頬の筋肉を鍛える運動になります。
•よくしゃべる、歌う
→口周りの筋肉が発達し、噛む力・発音にも良い影響があります。
噛む回数の目安は?
理想は「一口につき30回」と言われます。
最初は難しいかもしれませんが、数回多く噛むことから始めると、だんだんと習慣になります。噛む回数を増やすことで満腹中枢も刺激され、食べ過ぎ予防にもなります。
噛む力は、歯やあごだけでなく、脳や体全体の成長にも関わる重要な力です。
現代は噛む回数が減りやすい環境ですが、意識して噛む習慣を作ることで、歯並びや健康にも良い影響を与えられます。
噛む力を家庭でチェックする方法
「うちの子、ちゃんと噛めているのかな?」と心配になる方も多いと思います。家庭でも簡単にチェックできる方法があります。
1.するめやごぼうなどの噛み応えがある食材を食べさせる
小さく切ったするめや加熱したごぼうなどを食べるとき、しっかり噛み切れるかどうか確認しましょう。噛み切れずに飲み込もうとする場合は、噛む力が弱い可能性があります。
2.りんごやにんじんを前歯でかじらせる
前歯でしっかりかみ切る力も重要です。前歯でかじるのが苦手な子は、あごや唇まわりの筋肉が弱い場合があります。
3.食事のスピードを観察する
早食いで丸飲みが多いと、噛む回数が不足しています。一口ごとにしっかり噛んでいるかを意識して見守りましょう。
噛む力と歯並びの関係
噛む力が不足すると、歯並びやかみ合わせにも影響します。
顎は舌から受ける刺激だけでなく、噛む刺激も受けることで成長します。噛む力が弱いと、あごが十分に発達せず、永久歯が並ぶスペースが足りなくなることがあります。その結果、
•歯がデコボコに並ぶ(叢生)
•出っ歯や受け口になる
•噛み合わせがずれて、顎関節に負担がかかる
といった問題が起こりやすくなります。
つまり、噛む力を育てることは将来の矯正治療の予防にもつながります。
噛む習慣をつけるために親ができる工夫
1. 食事の時間をゆっくりとる
テレビやスマホを見ながらの「ながら食べ」は噛む回数が減りやすいです。家族で会話を楽しみながら、ゆっくり食事をする時間を作りましょう。
2. 歯ごたえのあるメニューを積極的に
やわらかいものばかりでなく、野菜スティック、ひじき、きんぴらごぼう、ひき肉よりも薄切り肉など、噛む必要がある食材を少しずつ取り入れます。
3. おやつも工夫
スナック菓子やチョコレートでは噛む回数が少なくなります。干し芋、ナッツ、とうもろこし、りんごなど「噛むおやつ」に変えるだけでも習慣が変わります。
4. 楽しみながら噛む
「一口で30回噛もうね」と声かけをしたり、噛む回数を競争してゲーム感覚で取り入れると、子どもも楽しく続けられます。
噛む力が弱いときの注意点
もしお子さんがなかなか噛まない、かみ切れないなどの様子があるときは、単なる習慣だけでなく、
•歯並びやかみ合わせの問題
•舌や口の筋肉の発達不足
•呼吸(口呼吸が多い)
といった要因が隠れていることもあります。歯科医院でチェックしてもらうと安心です。
咀嚼力を高めると全身が元気になる
噛む力が育つと、歯並びや消化だけでなく、姿勢や発音、集中力、肥満予防にも良い影響があります。食事の時間が楽しくなることで、家族のコミュニケーションも増えます。
「よく噛む」は一生の健康習慣。お子さんが成長する大切な時期に、ぜひ意識して取り組んでみましょう。お子さんの食事や生活習慣を見直し、しっかり噛んで楽しく食べる習慣を育てていきましょう。
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