一青妙さんのエッセイです
(4/29北國新聞掲載エッセイ)
彼女は歯科医師なんですね・・・
世界中を取り巻く現在の環境の中で、様々な困難や課題が山積な今日この頃。
でも、よーくよく考えてみると新型コロナウィルスが何者でどう対処すれば分からないだけなんです。
当然私も一歯科医院の院長で歯科医師ですが、経営者として医療人として、正直、今一体何をどうすれば良いのか悩んでいます。
歯科医師も歯科衛生士も歯科アシスタントも医師も看護師も、みんな正直一体どうすればいいのか暗中模索なのです。
ただ、新型コロナウィルス感染の勃発前後で何ひとつ変わらないことは、今生きているわれわれ人間です。
感染を恐れているかどうかの違いがあっても、我々は何ひとつ変わっていないのです。
不幸にもコロナ感染者もコロナ感染で亡くなった方々(一般人・著名人)も、それが本当に私たちの身近に迫っているという現実があるだけです。
一昨年の豪雨災害で母親の実家である呉市天応町の生家は土砂災害で小さな町とともに全てが跡形もなく吹っ飛びました。(今は町一体が原っぱに)
昨年5月に当院が開業直後のドタバタの中、実母の食道がんを突然宣告され、わずか2ヶ月というあっけない短期間で母は天国に旅立ちました。
(本当にあっという間でした!)
何れにせよ、私にとって突然の出来事ですが、その前後で世界は何も変わりはしません・・・
私にとって耐え難い苦境であっても何ひとつ変わらない世の中・・・
土砂をかき出したり、葬儀をしても、次の日には医院で患者さんの診療を続けていたのです。
何にも変わりやしないんです!
自粛だのロックダウンだのいっても人間の長い歴史の中のほんの一瞬のことです。
ならば、せめて身近な人のため、近隣の人のため、他県の人のため、日本の国民のため、今は一丸となって見えない敵と戦いましょう。そして、その次はおそらくコロナと共存していくことになるのでしょう。
今の時点で風評被害や誰が悪いのだと言ってみても何も解決はしません。
もし、コロナ感染で入院しなければならない時に、命がけで助けようと頑張ってくれている医療従事者のことを考えれば、今私たちが力を合わせて何が出来るのかを考え最善と思われる行動を行うことだけに集中しませんか!
歯科医師の一人として思うこと、それは、我々はコロナの前も後も一切変わらないということです。
我々が提供できる歯科医療は何ひとつ変わりありません。
この先、アフター・コロナあるいはウィズ・コロナをむかえ、世界的に生活習慣は少し変わるのかもしれません。しかし、人間の本質は変わるわけではないので元の生活を粛々と取り戻すことが最終ゴールなのかもしれません。
私自身は、今のコロナ問題の自粛要請期間を歯科医療従事者として、これまで当たり前だった事実をもっともっと患者さんに、そして地域の皆さんに、情報としてわかりやすく伝えていく義務があるのだと痛感する良い期間だったと前向きに考えるようにしています。
・お口の中の清掃状態を良くすることで防げる、あるいは軽減できる誤嚥性肺炎
・脳血管疾患や心臓病、糖尿病など深く全身の病気と関わっている歯周病と歯周病細菌
・噛むことで脳に与える影響が認知症の予防になる
・喫煙・受動喫煙がお口や全身の健康に及ぼす悪影響
・定期的なお口のメンテナンスが全身の健康に及ぼす影響
そして今後、
・新型コロナウィルスと歯科医療(お口の衛生管理)との関わり
も明確になっていくことでしょう。
その時のためにも私たちは歯科医療を通じて国民の健康を守っていくプロフェッショナルとして今の状況でも立ち止まっている暇はありません。
元の平和を取り戻し、当たり前の日常をみんなで取り戻しましょう。
そして、当院も地域住民の歯と全身の健康に今まで以上に貢献出来るよう、スタッフとともに頑張ってまいります。
可能な範囲でこれからも情報発信してまいりますのでどうぞよろしく!